ユーコさん勝手におしゃべり

12月12日
 近所のお寺で、蝋梅の花を見た。老熟した葉のない幹に、かわいい黄色の花がポッポッとともっていた。
 すっかり寒くなって、温泉が恋しい季節だ。休日に、車で1時間半ほど走って近隣の温泉浴場へ行った。
 鉄色の源泉に、熟年女性が3人、話しこんでいる。
 「…なのよ」 「そうよねえ…。」
 と、お互いに積年の悩みがあるらしい。
 ちょっと離れたところで しみじみ湯舟に浸かっていると、若い女性が4人やってきた。源泉は全体茶色く、段差がどこにあるか見えない。
 「え〜、わかんない」 と笑いさざめく。
 「あー、きもちいいー」 と声をそろえて大笑いする。
 何もかもが楽しいようで、少し話しては キラキラ笑う。
 一人の私の右と左に、二つのグループがそれぞれ親しんでいる。
 来た道、ゆく道、どちらも愛おしい。
 浴場の庭には、ツワブキがたくさんあり、緑の葉からすっくと伸びた茎に、黄色い花が咲いている。風雨に耐える多年草のこの根があってこそ、鮮やかな花々が見られる。
 温泉に満ちる声のこだまに、癒された。

12月9日
 亀は冬眠。
 いつまでも続くように思われた小春日和も、12月の声を聞くと終わり、暦どおりにサザンカ梅雨がやってきた。そして、12月の第2週は 寒波とともにはじまった。
 家の中でボーっとしていたカメも、数日前から動かなくなった。
 昨日、小庭のプランターにビオラの苗を植えたついでに、カメの冬眠バケツに黒土と水を入れ、今朝、カメをそこに入れた。
 冬眠用に用意していた桜やもみじの葉の入ったビニール袋をあけると、ふわっと良い香りがした。赤や茶色の冬眠布団をカメの上にどっさりかけて、ふたをする。
 これ以上の寒さを知らず、深く眠って、春 チューリップの咲く頃、目の周りと口もとをほんのり桜色に染めて目を覚ますだろう。
 場所は日影のポリバケツの中だけど、カメはまるで、冬の間は南半球にクルーズに行っている有閑マダムのようだな、と思った。

12月4日
 12月に入って、天気が定まらない。1日の間にも雨が降ったり 陽がさしたり めまぐるしく、予報もはずれがちだ。
 今朝、曇天の中、メタセコイアの黄葉を見に自転車に乗って、都立水元公園へ行った。公園内はサザンカの花盛りだった。 鮮やかな色が目をひきつける。
 飼い亀の冬眠用に落ち葉を拾って、持参のビニール袋に詰めた。赤いもみじにサクラの葉、黄金色のいちょうにオレンジ色のメタセコイア。袋はいっぱいになった。
 雲の間から陽がさしてくると、ぐんぐん気温が上り、上着を脱ぎ手袋をはずす。
 ひろびろと景色はすばらしいけれど、目に入る紅葉やサザンカの花と、体に感じる気温が不釣合いで、不思議な感覚だった。
 お昼に店に戻った。外から店内に入ると、まるでクーラーをかけているようだ。冬に室内より外の方が暖かいのも、湿り気のある南風が吹くのも、異例のことだ。
 今日は各地で12月としては記録的な高温で、夏日になったところもあったらしい。
 上空は寒気と高気圧がせめぎあっているそうで、明日のことは、明日になってみなければわからない、奇妙な12月のはじまりとなった。

11月のユーコさん勝手におしゃべり
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