ユーコさん勝手におしゃべり

1月14日
 一月である。一月らしい一月だ。毎日寒い。
 寒いながらも、日が随分長くなった。陽光も強くなって、風のない日なたには ほっとするあったかさがある。
 歩いていると、芽が目に入る。さくらの花芽も目立ってきたし、梅はもう、つぼみと呼べるようになったものもある。小庭のジャスミンの花芽も、赤い色がついてきた。
 派手な花も生い茂る葉もない中で、花芽を見つけると足取りが軽くなる。花の季節はまだまだ遠いけれど。
 若い木の花芽は初々しい。地面から、遅咲きの水仙の芽がピヨピヨ突き出してきているのも かわいらしい。
 そして、昔からなじみの木が今年も芽吹いているのを見ると、心の中で声が出る。

  こんな老木になっても
  春だけは わすれないんだ
  御覧よ まあ、紅梅だよ           (山村暮鳥「雲」より)

1月6日
 先日、近所の堀切菖蒲園へ散歩に行った。
 年末、きちんと清掃された園内で、キリシマツツジが色濃く紅葉していた。よく見るとピンクの花も付いている。
 11月に長く続いた小春日和で、時期をたがえて開いた花だ。昨年の風変わりな天候のもたらした、ピンクに深紅 だった。
 年が明けて、やはり散歩中、ふわっと良い香りがした。よそ様のお庭の蝋梅からだった。大きな木に、すずなりの小さな黄色い花、そして黄色い葉が枝に数枚ついている。梅は、葉が皆落ちて丸裸になってから花期を迎えるはずなのに、葉を残したまま花が咲くのは珍しい。
 ともあれ、今は、西高東低、冬らしい気圧配置が続いている。
 12月のはじめ、実家の父が、私が行くたび何度も話した。
 「終戦の年は、それまで全然雪が降らなかったんだ。今年は楽だと思っていたら、12月8日に初雪が降って、その初雪がそのまま根雪になったんだ。いきなりドサーっとね。
 8日がその年収穫した米を農協に納める最終日で、馬に四つ車をつけて、米を積んで家を出ると、ちらほら降りだした雪が、帰りにはもう随分積もっていた。でも北海道生まれの馬は頭が良くて、教えなくてもちゃんと道を選んで上手に歩くんだ。
 その年はその初雪が根雪になったのさ。」
 それはこの冬を予言するようだった。それからしばらくして穏やかだった秋が終わり、北陸から北海道の日本海側に雪が続いた。今日も天気予報は雪を告げている。
 今は横浜に住む父は、新潟上越の生まれである。牛や馬、犬や猫とともに暮した父の子どもから青年時代の話を聞くのは、私の子どものころからの楽しみだった。今でも、何度聞いても新しい発見があっておもしろい。まるで別の時代の別の国のことのように感じられる。70数年間で、時代は飛ぶように変わった。
 でも季節の進み方は変わらない。
 冬らしい冬ではじまった今年、春夏秋冬が、番狂わせなく、上手に巡ってゆきますように。

12月のユーコさん勝手におしゃべり
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