ユーコさん勝手におしゃべり

8月24日
 カメ産卵。
 いや驚きました。特大10個。よくこんなにたくさん甲羅の中に入っていたものである。
 昨夕、雨上がりに外へ出ると、2個の水桶に5個ずつ、10個の卵がうみおとされていた。まだうみたてで、5個の卵はカメの体の下にあった。
 うんだ後の卵には執着がないので、踏み潰さないように卵を取り出してプラスチック容器に入れた。孵ることのない無精卵だが、二日程はそこに置き、道ゆくカメ友だちにお披露目する。
 昨日は産後疲れで口を開けなかったカメだが、エサのアサリを水槽に入れておくと、翌朝にはペロリとたいらげ、更にエサを要求した。おしりを触ると、卵はまだあるようだった。
 小庭の葉の上に、今年初見のバッタがいた。野原や実家の庭では時折見ていたが、プランターだけしかないこの小さな庭で、生きつないでいてくれていることがうれしく、ことさら かわいい。
 何の変哲もない小さなバッタの子である。「親バカ」の一種であろうか。

8月22日
 夏がゆく。
 梅雨が長引き なかなか来なかった今年の夏が、猛暑と豪雨を繰り返しているうちに、もう行ってしまう。
 朝早く目覚めると、空気が変わっている。寝苦しさはなくなり、一抹の淋しさを伴って吹く涼風のなか三階の寝室から二階に降り、ゴロリと横になって も一度眠る。
 「カーメたん おはよう。」
 カメに話しかける人の声が外から聞こえ、目が覚めた。散歩中のおばあさんが、店横の小庭に出ているカメにあいさつしている。
 天候不順のせいか、7月はじめに七個の卵を産んだ後、またすぐ食欲不振になり卵を産む動作を繰り返した。生みの苦しみは一月半も続き、先日一個だけ排出した。
 その後何となく落ち着いているので、今年はこれで終わりなのか、もう一段あるのか、顔色を変えることのない生きものなのでわからない。
 自分の中の葛藤はおもてに出さず、じっと人のはなしを聞いている。
 「カメは えらいな。」
 と声に出して、私も起き上がることにした。

8月14日
 お盆休みである。街は行き交う人も少なく のんびりしている。
 朝、小庭の花柄摘みをしていると、2・3歳の男の子がパパと手をつないで駅の方へ歩いてきた。男の子は何にでも興味があり、
 「あ、ムシだ。」 としゃがみ込む。
 「ああ、みみずが死んじゃってるねぇ」 と休日のパパもフォローする。
 うちの隣りのお店の角にある二宮金次郎像の前で、男の子が立ち止まり、
 「ビーサンはいてる?!」 と声をあげた。
 昔の人のかっこしているのに、「ビーサンはいてる」という新鮮な驚きが伝わってきて、思わず頬がゆるんだ。
 「あれは、ビーサンじゃなくて…」 とパパは たどたどと説明しながら歩いて行った。

8月4日
 暑い。雨続きの7月がウソのように連日猛暑である。
 夏のサンダルがひとつ欲しいな、と思いながら、炎天の街で自転車をこいでいた。すれ違う人のサンダルの足もとが気になって、つい見つめる。そのうち頭の中で「さんだる」が活用をはじめる。
 「サンダらない
  サンダります
  サンダる。
  サンダる時
  サンダれば
  サンダレ! 」
 ショッピングモールの靴屋さんに行き、まずサンダルコーナーを見る。ピンとこないまま、目はスニーカーの方へ行き、結局 今履いている気に入りのと同じスニーカーを買った。
 初志貫徹できず。でもバーゲン価格だったのでうれしくて、そのまま新品の方を履いて帰ってきた。気候はどうでも、好きなものは、好き。
 空調の効いた店内で他の買い物をすませて外に出ると、ムアっと暑い。数歩歩いただけで汗がにじんでくる。
 でももう頭の中でサンダルの五段活用は起きなかった。サンダルは来年にしよう。

7月のユーコさん勝手におしゃべり
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