ユーコさん勝手におしゃべり

12月12日
 飼い亀を冬眠させた。
 毎年、今年は暑かったとか寒かったとか、様々に評するけれど、結局いつの間にか季節は帳尻を合わせている。二十四節気の大雪を過ぎる頃から朝晩の寒さが身に沁みるようになり、亀も部屋の隅のムートンマットの下にもぐり込んで顔を出さなくなる。
 昨年は12月11日に冬眠水槽に入った。今年もそろそろかなと思い、昨日、深いバケツに黒土と水を入れ、こねて泥んこにした。
 そして今朝、室内から外に亀を連れ出した。まだ眠ってはおらず、抱き上げられると私の胸の中で「クゥー キュー」とあいさつするように鳴いた。昨日作った泥んこに更に水を足し、亀を入れる。亀の上に各地で集めた落ち葉のふとんをかけて、フタを閉めた。
 これでもう亀は寒くない。今年も多くの卵を産み、脱皮して一回り大きくなり、お散歩の保育園児や近所の幼児とたくさんの握手をした。ひととおりの仕事をつつがなく終え、あとは春まで深く眠るだけだ。
 亀を寝かせて、眠るわけにはゆかない人間は、そのあと、温泉施設へと出かけた。

              今年の亀の様子はこんな感じでした。


12月6日
 昨晩、外に出て見上げると 月が出ていた。大きな月だった。
 月を見ながら特にあてもなく歩いた。あとから今年最大の満月の翌日だったと知った。
 今晩の月は、大盛りのご飯をちょっと食べたあとのようだった。月は上の方から欠けていた。
 何も考えたくない時でも、左右の足を交互に出してさえいれば、どこかへ進んでゆく。月を見ると、月もこちらを見ているように感じる。
 川に挟まれた土地柄で、どこをどう歩いてもそのうち土手にぶつかる。橋を渡れば知らない街になるところまで行き、橋を越えずにもとの方向へ戻ってゆく。
 夜の厨房で、昼食に買ったフランスパンの残りでフレンチトーストの支度をした。豆乳とハチミツと砂糖の液に切ったパンを沈める。手を動かしていると、フライパンでバターがじわっと溶けてゆく音と香りが浮かんでくる。
 一晩じっくり浸かったパンが待っている、明日の朝が楽しみだ。
 月と食欲を友に、明日も良い日になるだろう。

11月のユーコさん勝手におしゃべり
それ以前の「おしゃべり」