ユーコさん勝手におしゃべり

1月20日
 いたずらに日ばかり過ぎる1月だ。夜空を見上げると、オリオン座の下にひときわ輝く星が目に入る。シリウスという名らしい。
 店々が早じまいとなり、夜の暗さがひきたっている。
 10日、買い物に行く道すがら、丸裸の黒い枝に1・2輪紅い梅の花がついていた。今期の初見だ。翌々日は雪に降られたろうに、おとといそこを通ると、元気に花数を増やしていた。
 13日には、うちの店横のプランターに、小さなチューリップの芽を2つ発見した。晩秋に20球埋めたうちのはじめの2こに、ちょっとワクワクが戻ってきた。
 だがしかし、例年のように 季節の揺らぎにわきたつ心 とはいかない。
 コロナ禍といわれて久しいが、難儀の度は増すばかりで、いつしか私の中ではコロ難と名付いている。

 コロ難で 梅ひらけども なお寂し

1月7日
 年が明けたある日の朝、店主が話さずにはいられないといった感じで明け方にみた夢の話をした。鮮明な夢で見取り図も書けるという。
 場所は"THE 昭和"な食堂で、入口には「食堂」と看板がある。入ると、奥の一畳ほどの小上がりにおばあさんが腰かけている。床がコンクリ打ちの店は二畳ほどで、簡易なテーブルがひとつ、イスが二つ置いてある。奥の机に大きな炊飯ジャーがあり、その上の壁にテレビがある。入口近くに店のカウンターがあり、そのうしろに小上がりのおばあさんより年のいったおばあさんが立ち、カウンターの上の銀の盆にはアジフライが二つ乗った皿が二枚置いてある。
 店の二人は、老々母子らしい。 若いカップルがカウンターの前にいて、女の子が
 「アジフライ二つ買っていこうか」と男の子に話している。店には 見回しても 大振りで衣の薄いアジフライ以外メニューも何もない。 店主が、テレビを見ていた小上がりのおばあさんに
 「アジフライスください。」 と声をかけると、
 「はぁ? そんなものはありませんよ。」 とちょっとムッとした顔で言い、視線をテレビに戻した。
 店主は言い間違いに気付いて、たじろぎながらも今度はゆっくりと、
 「アジフライとライス ください。」 と言う。
 「はいよ」 とあっさり愛想よくなったおばあさんは、アジフライ定食をセットしてくれた。
 しかしながら、食べる前に目が覚めたので、アジの味はわからない。

 そばにあった白い紙に、食堂内の絵をかき図解入りの夢話である。
 「新鮮でおいしそうなアジだった」 そうだが、なぜフライなのか。
店主はメタボの為、フライは封印中である。話し終わって、
 「アジフライ、食べたいなあ」 と遠い目をした。

12月のユーコさん勝手におしゃべり
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